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 2000-3 【特集】 塑性加工解析における材料定数の同定 −引張試験と塑性不安定−

【4】硬化則の例

最後に、実際の金属材料について、硬化則の例を示しましょう。Fig.8に各種の変形抵抗の実測値と近似式の比較を示します。近似式としては、(8)〜(10)式のタイプが用いられており、材料によって適切なものを選択すべきであることがわかります。またFig.9は、よく使用されるn乗硬化則についてn値による挙動の違いを示したものです。n値が大きいほど加工硬化が大きく表現されることがわかります。

現実の材料ではn値の最大値はおよそ0.5であるので、くびれなしに引張ることのできるひずみ量は、最大でも50〜60%を超えることはありません。塑性加工解析のように、より大きなひずみ領域に対する材料定数を同定するには、くびれの影響を避けるために圧縮試験を適用することがあります。実施例については次号のMech D&A Newsで紹介します。

Fig.8: 変形抵抗曲線の例 Fig.9: n乗硬化則の例

 

【参考文献】

(1) 中原,材料力学(上,下),養賢堂,1964.
(2) 鵜戸口,材料力学(上,下),裳華房,1964.
(3) 津村他,強度設計データブック,修正版,裳華房,1965.
(4) 山田,塑性力学,日刊工業新聞社,1965.
(5) 平,金属材料の高温強度,養賢堂,1968.
(6) Mech D&A News,Vol.97-3,弾塑性材料試験支援キット,メカニカル・デザイン・アンド・アナリシス,1997.
(7) 日本塑性加工学会,塑性加工技術シリーズ2,材料,コロナ社,1994.
(8) 吉田,弾塑性力学の基礎,共立出版,1997.
(9) Hill,R.(鷲津,山田,工藤訳),塑性学,培風館,1954.
(10) Backofen, W.A.(戸澤訳),金属塑性と加工,コロナ社,1980.

 

 


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