| 液体の表面を仮想的に切ったとき、その切り口には、表面積を縮めようとする単位長さあたりの荷重が作用しています。この荷重は表面張力と呼ばれ、液体の寸法が小さいときには重力などの効果を上回り、支配的な荷重となります。はんだ接合は溶融したはんだの濡れ性を利用した微細な接合技術であるため、得られたはんだの平衡形状は表面張力の影響を強く受けています。
実際の問題では、下の写真に示すようにはんだ接合部の形状は疲労寿命に大きくかかわるため、その形状を予測する技術が求められています。また溶融状態のはんだに何らかの外乱が与えられると、その形状はそのまま維持されるか、あるいは他の安定な形状に移行します。下の写真は、このような動的な効果によって生ずる不具合の例を示します。
これらの問題は、単にはんだの平衡形状を特定するだけでは解明できず、その形状の安定性に関
する知見を必要とします。本例では溶融はんだを粘性流体と考え、レオロジーの観点から材料構成則を定めるとともに、表面張力をモデル表面に組み込み構造系のFEMに適用しました。
例えばABAQUSの場合、クリープモデルと粘塑性モデルが考えられますが、これらの概念は単に溶融はんだの問題だけではなく、より一般的な流動性の問題に適用できます。 高温下での樹脂の成形問題などがより広範な用途として考えられます。
また表面張力の組み込みには幾つか方法が考えられますが、弊社では表面の曲率に依存した法線方向圧力に換算する方法、あるいは部材力一定の膜をメッシュ表面に定義する方法を採用しています。
|